旅 行 記

初の香港編

第1日 1997年10月1日(水)

 今回は生まれてはじめての香港旅行。会社の後輩が、香港に赴任したのがきっかけで、訪れてみる気になった。

 ラスベガス旅行で溜まったユナイテッド航空のマイレージを使って、ビジネスクラス(3万マイル消費)での旅行。

 成田空港到着後、ユナイテッド航空のコノシュアラウンジで休憩。噂のサンドイッチはなく無料のコーラをがぶ飲みした。 ビジネスクラスは初めてではないものの、10年前に乗ったときとはシートも雲泥の差で、特に今回は最新型のビジネスシートということもあって、ユナイテッドとは言え機能的で快適なシートだった。機内食のチキンあんかけ焼ききしめんはまあまあ。映画は既にビデオで見たマイルームだった。これからは、ユナイテッドのHPで映画上映の情報を見てから、ビデオレンタルしないともったいないと思った。

 香港着陸は、私にとって最初で恐らく最後のランウェイ13ルート。九龍のビルをかすめるようにUA801便が着陸。飛行機の窓から、中国返還後初の国慶節の花火が、ビクトリア湾あたりで打ちあがっているのがよく見えた。初香港到着を深く印象づける出来事だった。

 カイタック空港まで後輩が出迎えに来てくれていた。早速、荷物を置くため後輩とタクシーで後輩宅に向かった。後輩宅は、高層マンションの一室。香港島のコーンヒルというあたりにあり、高層マンションが林立し、割合高級なエリアだった。空港からはタクシーで約120HKDかかった。 

 ユナイテッド航空の到着が夜遅くのため、時間はもうすでに23時を過ぎていたが、一休みしてから地下鉄MTRでCauseway Bayへ出掛けた。散策後パークレーンホテル27Fのバーで夜景を見ながら一杯。宿泊者以外はミニマムチャージ100HKD。結構高い。夜景代かと納得しつつ、初香港を満喫した。

 深夜部屋へ戻ると、ゴキブリが4・5匹出現。出るとは聞いていたけれど、2泊目からホテルにしてよかったとつくづく思う。一度に数匹に遭遇するなんて今までの人生でなかったことだし、ましてや北海道出身の私にしてみれば、ゴッキーちゃんは非常に苦手なもの。

 半年振りのご対面ということもあり、3AM頃まで起きていた。

 それにしてもHKGの空気は非常に悪い。初めて修学旅行で降り立った羽田空港の空気を思い出した。


第2日 1997年10月2日(木)

 遅目に起床。後輩曰く美味しい飲茶屋があるが電話番号等が分からないと言うので、JCBプラザに予約をお願いし、Admiraltyの名都楼酒楼(Metropole)で飲茶の昼食。

 ワゴンで運んでくる方式のレストランで地元客でごった返していた。大食漢の私がいて鱈腹食べて一人140HKD。初めての体験なので、これが安いのかどうかは分からないが、美味しかった。特に大好きなゴマ団子は何度もお替り。また行こう。

 食後いったんチェックインのためKowloon Shangri-Laホテルへ向かった。ユナイテッド航空から送ってきたホテル半額券を使って1,300HKD/1泊という宿泊料。サービスチャージとか税とか入れると結局1泊約3万円のこれまでに体験したことのない高額なホテルだった。その為か、スタンダードの部屋なのに、客室は非常に広く、その上、ウェルカムフルーツと中国茶の準備がしてあった。こんな贅沢は早々出来ないなぁと感慨にふける。大体今までビデがあるホテルにもバトラーがいるホテルにも泊まったことがなかったから。
 
 その足でお寺、黄大仙へ。無我夢中で拝んでいる地元民に圧倒された。極彩色の寺も独特だが、祈り方も独特。

 MTRで中環へ向かいランドマークタワー内のLa Terrazzaで休憩した。ランドマークタワーは有名なショッピングスポットらしいが、日本人の姿は少なかった。やっぱり香港人気の凋落は激しいのだろう。

 休憩後、本日のハイライトのためピークトラム駅へ向かった。ランドマークタワーから徒歩で20分ほどで駅に着いた。日本人は少なかったが、英米の観光客が多く1時間待ち。十国峠のそれとは比較にならず待った甲斐があった。(^^;;;
 

 ピークでは暗くなるまで土産物屋などを見物、小腹が空いたのでマクドナルドでハンバーガーを買う。"Stay Here"って下がり調子に言われたのでここで待てと犬への命令のように言われたと思ったが後輩によると、「お店で召し上がりですか?」の意味だそうだ。
 
 これ以外観光スポットはないと、あるガイドブックに書いてあったが、ビクトリアピークからの夜景は筆舌に尽くし難かった。(札幌の旭山公園や函館山の夜景も非常にきれいですよ。)

 この超有名な観光地ですら殆ど日本人には会わなかったが、女性がつかつか私に寄ってきて「日本の方ですか?香港に遊びに来て日本人に初めて会いましたよ。」と言われるくらいだから。

 夕食はピークのCafe De Coでアジア料理。なかなか洗練された雰囲気で味もまあまあだった。特にナシゴレンが。夜景を見ながら食事って柄でもないけれど、まぁ良しとしてください。
夜景の写真を捨てるほど取ったところで10年前に買ったRICOHの台湾製カメラがとうとう壊れてしまった。(^^;;;

 ピークトラムで下山してスターフェリー乗り場までピークトラムウェイという2階が天井なしのバスに乗る。トラムの往復券を買うとこれにも乗れるようで、つまりただ。天井がないバスは初めてだったけれど、これが木の枝を避けたりしなくてはならず、とてもスリリングだった。

 スターフェリーは名前からきれいな船を想像していたけれど、船から見える夜景とは対照的でおんぼろだった。尖沙咀に着いてPlanet HollywoodとHard Rock Cafe Kowloonを見学。Planet HollywoodでTシャツを買う。疲れたのでホテルまでタクシー。
 後輩が自宅へ帰り、1時ごろ就寝。明日は中国は深セン。


第3日  1997年10月3日(金〉

 朝食は尖沙咀駅近くの烏龍茶餐廰で20HKDのアメリカンブレックファストなる朝食。冷たいハムと目玉焼きとトーストだけのお粗末なもの。香港の食堂にしてはきれいな店だった。

 尖沙咀からMTRに乗り九龍塘駅で九広鉄道(KCR)に乗換え、一路中国深センへ。1人33HKD。値上げになっているようだ。車窓から新界の風景を眺めていると40分程で羅湖駅に到着した。この駅で深センに5日間滞在できるVISAを取るのだが、申請所を素通りして入国審査所に出向いたら、当然だが係員に罵倒された。"No Visa?!!"と言ってパスポートをまさに投げ返された。まぁ、こっちが悪いからしょうがないけど、日本だったら思いっきり文句つけられるのに。結局羅湖から入国までの所用時間はおおよそ1時間だった。(VISA自体は3分程度)面白いことに、香港側のビルと中国側のビルとでは(歩道橋で繋がっているだけだけど)、造りが違った。
 
 早速駅のタクシー乗り場に向かうと、係員らしき人が寄ってきてミニチャイナまでと伝えると100元だというので、無視してタクシーの運ちゃんに同じ事を聞いたらやっぱり100元と言う。ガイドブックには50元くらいと書いてあるがしょうがない。無視した係員はなんて無礼な日本人だと思ったことだろう。

 30分ほどでミニチャイナに到着、100HKDを支払う。HKDで事足りる町だ。ミニチャイナは中国の史跡を1/15の縮尺で再現しているテーマパークで入場料1人80HKD。日本人観光客は殆ど見られなかった。お寺などのミニチュアの中まで入って記念写真を取る中国人に向かって拡声器で怒鳴っている警備員が印象的だった。あんまり面白くなかったので、「世界の窗」に行くべきだった。それでも3時間ほどは時間がかかった。

 出口には蘇州街というお土産屋通りがあり、ついつい印鑑を作ってしまった。「ハンコ!、キュウスゥ!」って日本語で呼び込みが熱心だから。一番安い石で10HKD、玉石と言われ薦められたのが50HKD。後者を値切って40HKDにした。乗せられてケースまで買ってしまった。日本語を一生懸命駆使するので普段はツアー客も多いのだろう。
 
 帰りは深セン駅行きのミニバスに乗る。行き先とバスの番号がバス停に書いてあるが、ミニバスが到着するたび車掌らしき男が大声で呼び込みしていた。(何言っているか当然分からないけど)ミニチャイナ前から深セン駅までは6.70元と書いてあったが5HKD渡したら平気な顔していた。結構いい加減。さてこのミニバスが曲者だった。信号は守らない、車が来ているのに反対車線を平気で走る、交差点では平気でショートカットする、割り込もうとする車にはクラクションに加え車掌らしき男がボディを叩いて抗議するわで、生きた心地がしなかった。こまめに停車するので、深セン駅手前のシャングリラホテル裏まで1時間掛かってしまった。ここで後ろから男が何やら広東語で語り掛けてくるが無視しても付いてくるので話を聞くとどうやら「女」はいらないかと言うことらしかった。当然断りました。(^^;;; 

 昼食はシャングリラ最上階のTiaraという回転レストランでビュッフェ。会計時BILLにはTTL DUE RMB 460.00と印字されていたが、C/Cの伝票には$438.09とプリントされており、どちらで請求が来るか楽しみ。

 駅周辺を少しだけ散策し雨が降ってきたので、香港へ戻ることとする。

 さて、深センの治安は悪いと昭文社の個人旅行香港編にも書いてあり、そういう噂もよく聞くが、中国にハンドオーバーされる際、江沢民が深センに滞在したお陰で、ホームレスやお金をねだる子供たちへの取締が強化されたらしい。その為か、私も深セン駅周辺でもそういう光景を見ることが全然なかった。ただ、やはり郊外に行くバスなどは時々バスジャックされることはあるらしい。状況が変らなければ、ガイドブックの指示に従ってツアーで行く必要はまったくないと思った。

 帰港後尖沙咀のカメラ屋(Best Choice Video & Laser Co)でカメラを購入。オリンパスの∞Zoom76が970ドル。尖沙咀でカメラは買うなと助言を受けていたにもかかわらず、昨日壊れたための衝動買い。勘定した後本来付いているセルフシャッター用のリモコンまでオプションだと言われて....もしかして偽物?結局馬鹿な買い物をしてしまった。帰国後調べたが、日本の方が安いようだ。
 
 宿に戻り少し休憩後、咳がひどいので2階の店で薬を物色していたところ勧めてくれた中国の咳止めシロップを買い(これ結構効きました。)、後輩と8時の待ち合わせでCauseway Bayのそごうに向かう。

 金曜の夜と言うこともあり待ち合わせのメッカはすごい人だかりだった。今日の夕食は四川楼飯店。ここの担担麺は辛くておいしかった(辛さのランクが色々あり普通を頼んだ)。麺がカップヌードルのそれと同じで何とも言えない味だった。後輩のおごりだったが1人約250HKD。食事後上海灘デパートを見学。トウ小平の腕時計が面白かったけど、あんなのつけられないので買わなかった。
 
 その後トラム(もちろん2階)で中環のHard Rock Cafe Hong Kongへ向かう。コーズウェイベイあたりからトラムに乗るときのこと。トラムの停留所までは本来歩道橋を経由しないといけないのに、面倒くさいので横断歩道じゃないところを渡ったら、警察官がすっ飛んで来て広東語でえらいけんまくで怒鳴られた。注意というより、鋭い目でほんとうに怒鳴りつけるという感じで。凄い形相の警察官に、我々がヤップンヤン(日本人)だと伝えると、ほんの少し落ち着いてしょうがないかと言うような表情になり、多分「気をつけるように」みたいなことを言って去っていった。我々が悪いんだけれど.....(^^ゞ

 ハードロックカフェではTシャツを買い一杯飲んだ。このHRCは客がまばらで、こんなのは初めてだ。潰れるのではと言う噂が香港ではあるそうだ。この日はこれで宿に戻った。


第4日  1997年10月4日(土)

 ぜひ試したいと思っていたお粥。朝食にとホテルを出て粥・麺と書いている店を探した。ちょっと歩いたところにラマダホテルがあり、隣に新寶餐廳と言う店を発見。一応日本語メニューもあり料金は20HKD程度とお手ごろだった。しかしどれを食べて良いのか迷っていると隣の香港人が日本語で色々アドバイスしてくれるのだがよく分からず、五目粥というのを注文。胸躍らせて待っていると、テーブルに運ばれてきたのが臓物の五目粥!!!臓物を避けながらご飯だけ啜っていたけれど、臓物と肉団子(これも多分臓物で作っているらしいのです。)の臭いに堪らず殆ど食べ残してしまった。もう参ってしまった。臓物も日本のように細かく小さいならまだマシだけれど、でかくてもとの形が容易に想像できるような代物だった。
 
 食べ直しするため、マックでも行こうかなぁと思いながらJordan方向へ散策。途中裕華デパート本店にあるGiordano(香港ブランドの服)に寄る。香港ブランドって安い。
 
 そのデパートの先に大家楽(Cafe De Coral)というセミセルフカフェテリア方式のお店で朝ご飯やり直し。もう殆どお昼になってたけれど。名物?マカロニスープとアメリカンブレックファーストを食べて2人で30HKD位だったと思う。味は極まず。(^^;;;
 
 Jordanから尖沙咀方面へネイザンロードをゆっくり散策、やはり香港ブランドのU2やBossiniで安いので秋冬物を買ってしまった。(^^;;;

 Hyatt Regencyホテルで恒例のトイレを借りて裏のHMVに行く。あらためて日本ポップスが人気なんだと痛感。因みに相川七瀬とLe Coupleがチャート上位で、店内にはのりぴーの曲がかかっていた。ここでは中国語のアルバムを数枚購入。ペニンシュラアーケードへ冷やかし半分で行くと、閑散としていて驚いてしまった。お客さんとすれ違わないんだから。やっぱり日本人客は減っているのだろう。土曜の昼下がりなのに。
 
 午後からは中環で待ち合わせて後輩とバスでスタンレーを訪れた。中環からレパルスベイ、スタンレーと続く山道で眼下のビーチの景色や高級マンションの美しさに目を奪われてしまった。香港じゃないみたい。くねくねした山道をダ ブルデッカーバスで行くのも結構スリリングで、高所恐怖症の私は窓側の席に座ってきがきではなかった。スタンレーでは白亜の建物にあるHot Potとかいうインド人のカレー屋で海を眺めながら昼食。ランチセット(フィッシュカレーかラムのカレーを選択、ナン・ライス・おかず2品つき)は一人12HKDくらいで、もういらないっていうくらいの量だった。スタンレーマーケットはミニ女人街といった感じで、少し欧米人が多い気はした。絵葉書だけ購入。

 夕方になり女人街に向かう。旺角でMTRを降り迷って太子の金魚などの鑑賞魚を扱う店が連なる通りに出てしまったが、どうにか女人街に到着。テレビで良く見るので、これが女人街かと言う感じだったけれど、アメ横ともちょっと違う雰囲気の中を通り抜けただけ。そう言えばちびまる子ちゃん(桜小丸子)グッズを扱う店が結構あった。

 尖沙咀へ戻りHyatt Regencyで休憩後、尖沙咀南の10月にオープンしたばかりのThe Palace Mallというショッピングセンターに入り、Espritでシャツを購入。そこの男性店員に、中国では「恰幅の良い人」のお腹を触ると幸せになると言 われていると言われ、お腹と太腿をさすられる。(^^;;;

 実は明日履く下着(トランクス)がないため、あちこち見ていたのだが、香港の人はブリーフがお好きのようで、トランクスはあまり見当たらない。しようがないので、香港東急で購入した。香港東急ってお客も少な目でちょっと貧乏臭いデパートだった。
 
 宿に戻り遅目の夕食を豪華に最上階のNapaで夜景を見ながら取ろうとしたが、あいにく喫煙席がふさがっていたため、2Fのコーヒーショップで香港最後の夜を過ごした。もう閉店直前だったのか、明日の朝食のセッティングをしている。 何とコーヒーカップや皿を平気で上に向けて置いている。宿泊客は埃の一杯入ったコーヒーを飲むのだろう。日本人が細かすぎるのかなとも思ったけれど、アメリカだって伏せて置いてある気がする。やっぱり大雑把な人達だ。
 
 部屋に戻り、後輩と別れ、荷造りをして就寝。


第5日  1997年10月5日(木)

 とうとう帰国の日。エキスプレスチェックアウトで早々にホテルを離れ、空港へ向かう。空港内の「世界の窗」というカフェテリアで朝食を取り、DFSで煙草などを買い込んでほどなく搭乗。(深センから香港に入る時にも買っていたの で1人でマイルドセブン3カートンも(^^;;;)帰りは1F席で2F席より狭く感じた。席が2-3-2のせいだろう。機内食は幕の内弁当を頼んだが、山菜おこわ飯が美味しくなかった。和食がまずいと言う噂は本当かも。和食を頼んだのにパンを配ってくれたのは嬉しかった。搭乗機はほぼ定刻どおり成田に到着、現実逃避の蒸し暑くて寒くて楽しい旅も終わりを向かえた。